アパート経営をするための入居者募集と管理業務

賃貸管理

アパートや貸家を持つことになったお客様から、よく聞かれる質問として、入居者の募集や入居後の管理はどうしたらいいか、というものがあります。

それってアパートを建てた会社で全部お世話頂けるんですよね?と聞かれることも多いのですが、
アパートを建てる仕事と入居募集、賃貸管理の仕事は、中味がまったく違います。
なので自社で賃貸管理のスタッフを持っていない建設会社は、募集や管理の専門の会社を紹介させて頂くことになります。

最近はサブリースという便利な仕組みがあって、空室でも賃料を保証してくれるって聞いたんだけど、本当ですか?という質問も受けることが増えました。

賃貸管理の内容やサブリースの仕組みを理解するには、まずアパート経営のやり方ってどんなパターンがあるのか全体を知っておいたほうがわかりやすいです。
以下で順に説明していきます。入居者募集、賃貸管理はだいたい4つのパターンがある、と思っています。

家主さんが全て自分でやる

このやり方は、入居者を探すのも入居後の管理も、なにもかも家主さんが自分でやってしまうというやり方です。

募集はアパートに取りつけてある看板で行います。
アパートを探して歩き回っていた入居希望者が、 ◯◯荘とか書いてある看板を見つけて、その下にある家主さんの電話番号に電話をかけるのです。

昭和の時代にはときどき見かけました。月極め駐車場などは今でもこの方式でやっているところが多いですね。

電話して、部屋が空いていたら大家さんの家まで行って挨拶します。
そこで大家さんからいろいろ質問されます。勤め先や家族いるのか、とか保証人はどこの誰なのか、とかです。
これが審査の代わりになります。

それで家主さんからOKが出たら契約します。家賃は振込とかではなく、大家さんの家まで持っていったりしていたこともありました。家主さんは入居者の苦情やトラブルなどあらゆる相談に乗ってくれました。

でも今はそんな家主さんは少なくなりましたし、看板だけで入居募集するののも難しくなってきました。

家主さんが全て自分でやるのではなく、入居者をみつけるのを業者さんにお任せしてしまうやり方に変わってきています。それが、次の不動産業者の仲介による募集です。

仲介による入居者募集

昨今のアパートを探す入居希望者は、家主さんの看板に頼らず、不動産屋 賃貸ショップに行って条件に合うアパートを探される方がほとんどです。

スマホで探す方も増えました。検索していいお部屋を見つけたら、画面の下の方に書いてある賃貸ショップの連絡先に電話してお店に相談に行きます。

大量に集客する賃貸ショップや、スマホで検索して探すサイトを使った募集はのおかげで、アパートのお部屋の認知度は飛躍的にあがります。

でも賃貸ショップは、自然にアパートの紹介をしてくれるわけではありません。ちゃんと決まれば家主さんが報酬を支払うという取り決めをしています。その約束があって初めて入居者にそのアパートを勧めてくれます。
なので、まずは家主さんは賃貸ショップに行って募集賃料や報酬などの相談をすることになります。

この報酬はだいたいお家賃の1ヶ月ぶんくらいを支払うことが多いです。
入居希望者も同じように、お部屋が見つかって家主さんと契約する際にはお家賃の1ヶ月ぶんくらいの手数料を支払います。

そうして賃貸ショップが家主さんと入居者さんの契約を取り持って決まるやり方を、仲介と呼んでいます。

入居者の審査は原則的には家主さんが行うことになっていますが、クレジットカードの審査によく似た審査のシステムがあるので、そこである程度のチェックはかかります。

賃貸ショップに仲介をお願いして、めでたく入居者が決まると、契約書を作ったり、その説明などは賃貸ショップが代わりにやってくれます。

契約が成立するとお部屋の鍵を入居者に渡して、賃貸経営がスタートします。
経営がスタートしたらどのように運営していったらいいのでしょうか。次の賃貸管理に続きます。

賃貸管理会社への業務委託

仲介による募集でめでたく入居者がきまったら、賃貸の家主さんとしての経営がスタートすることになります。

そんなとき、例えば入居者さんのお部屋で水漏れが起きてしまったとします。
入居者さんは紹介をしてくれた賃貸ショップにあわてて電話をすると、するとショップの担当はこう言います。”今からお伝えする電話番号に電話して頂けますか?”
その番号は、家主さんの電話番号なのです。そう、賃貸ショップは苦情の対応はしていただけません

仲介の仕事は、あくまで入居者さんを家主さんに紹介して契約を取り持つだけです。そのあとのトラブル解決は家主さんの仕事、ということになっています。

この賃貸経営で必要な業務を自分ひとりでやっていくのか、専門の会社にお任せするのか、ここでまた別の選択肢がでてきます。
専門の会社は一般に管理会社といい、業務をお任せするやり方を私たちは賃貸管理と呼んでいました。
どんな業務をお任せするのか、順に説明していきます。

・苦情の受付と対応

水漏れやエアコンの故障、お湯が出ない、下水が詰まったなど緊急の連絡にはじまって、お隣がうるさいとかシャッターが閉まりにくいなど、ありとあらゆる連絡が入ってきます。

その内容に応じて、管理会社が業者さんの手配をして修理や対応を行います。家主さんの負担が出る場合には事前に相談がありますが、緊急で連絡がつかないときは管理会社が判断することもあります。

・入退去のときの立ち会い

入居者が部屋を退去するときは、最初に部屋をお見せするときと同じように立ち会いをします。ただ見ればいいだけならかんたんなのですが、退去の立ち会いはけっこう大変です。

きれいにして貸したお部屋を返してもらうのですから、壊されたり汚されたり、備品が足りなかったりしたら、弁償してもらわないといけないからです。
もし入居者さんの落ち度で費用が発生したら、預っていた敷金から差し引いたり足らないぶんを請求したりします。

・家賃の入金のチェック

管理をお願いするときは、たいていは入居者さんの家賃をいったん管理会社が集めて、まとめて家主さんに振り込んでいます。ちゃんと振り込まれたかどうかのチェックももちろん行います。

でもなかには、ちょっとルーズで家賃の引き落としができない入居者さんもおられます。これを滞納と言って、ちゃんと入金お願いしますという督促をする仕事もしてもらえます。
ちょっと嫌な仕事ですが、滞納は放っておくとどんどん払えなくなっていくので、額が小さいうちに早く対応しないといけないようなので、これも大事な仕事です。

こうした業務の報酬は、賃料の5%くらいをお支払いすることが多いです。業務別に料金を設定しているところもあれば、まとめて5%のところとかまちまちですがだいたいの相場です。

ここで、ひとつ注意点があります。
入居者募集をお任せして成約したときにお支払いする手数料は、この管理報酬の5%とは別にかかります。
先ほど紹介させて頂いた、仲介による入居者募集とこの賃貸管理とは、基本的には別の業務だからです。
5%は管理の業務のみの費用ですのでご注意下さい。

賃貸管理を任せると家主さんはたいていの業務から解放されます。これで安心できると思うのですが、
近頃は賃貸管理とは別の、サブリースという方式で任せている、という話をよく耳にします。

ではそのサブリース 家賃保証という仕組みは賃貸管理となにが違うのでしょうか。

家賃保証システム サブリース

管理を任せることで業務からは解放されますが、入っていた入居者が退去したら次に新しい入居者が決まるまでは空室になるのでお家賃が入ってきません。

ローンでアパートやマンションを手に入れた家主さんは、家賃が入ってこない月も毎月のローン返済だけはきっちり請求されるので、空室が続くとなかなか気持ちが落ち着きません。
この空室の賃料を保証しましょう、というのがサブリース家賃保証です。

サブリースの仕組みを説明する前に、この仕組みはどこかの住宅会社でアパートなどを建てたときに一緒にセットされているシステムであることが多い、と覚えておいて下さい。

安心できるシステムのように思える反面、悪い評判も聞こえてくることがあります。
サブリース家賃保証がセットされているから安心して建築に踏み切ったら、あとで賃料が下がってローンが返せなくなった、など心配な体験談が取り上げられることも増えました。

まずサブリースの仕組みを説明します。

・サブリースとは

家賃保証のところがことさら強調されていますが、サブリースとはそもそも又貸しシステムのことです。
サブリース会社が家主さんから、アパートやマンションを建物1軒をまるごと借りてしまって、その各お部屋をサブリース会社が貸主になって入居者に又貸しをします。

サブリース会社が家主さんに支払う家賃は、アパート丸ごと1棟の家賃であって、丸ごと貸しているわけですから空室があってもなくても一定の賃料を支払ってくれる契約になっています。
これが家賃保証の仕組みです。

家賃保証で払ってもらえる賃料は、募集家賃から10%差し引いた額で決めているところが多いです。共益費や礼金はサブリース会社が受け取って家主には入らない、など他にも細かいルールがあります。
その代わり、入居者募集はサブリース会社の仕事となるので賃貸ショップに支払う仲介費用もサブリース会社が負担します。

賃貸管理のときと比べると手取りは少なくなるかわりに、空室の心配はなくなります

このシステムの良し悪しについては思うところはありますが、それはまたあらためてお伝えします。

この仕組みの本当の大事なところは家賃が保証されるという点だけではありません。又貸しという仕組みをとっているところに、他のやり方とは大きく違うメリットがあります。

家主さんが自分で管理するときも、管理会社が業務を代行するときも、部屋の貸し借りの契約は家主さんと入居者が直接行います。
サブリースだけは違います。入居者と契約するのはサブリース会社で、家主さんとは契約しません。

家主さんが契約する相手は間に入るサブリース会社なので、ワンクッション入る形です。
このやり方を取ることで家主さんは空室から解放されるだけでなく、入居者との契約にともなう法律的な面倒からも解放されます。

契約違反をした入居者やいつまでも滞納している入居者を、弁護士を使って退居させないといけない場面が起きても、それを家主さんがするのではなく入居者と直接契約しているサブリース会社がおこないます。

家賃の保証という、お金のメリットよりもこちらのメリットのほうが大きいのでは、と私は思っています。

空室の保証がある、という謳い文句ではありますが、このサブリースの賃料は決して一定ではなく
いつまでもずっと固定されるものではありません。

おおよそ2年おきに見直しがあり、そのときに賃料が下がる可能性があります。なぜなら、入居者さんの払う賃料が下がってくると、サブリース会社も家主さんに払う賃料を下げてくるからです。

当初の賃料のままずっと保証されるわけではありません。賃料ダウンのしわ寄せは、結局は家主さんがかぶることになり、サブリース会社ではなく家主さんがリスクを負う仕組みになっています。

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