土地活用を検討し始めることになったとき、
周りに相談できる人がいないと、不安なものだと思います。
では、そんなとき土地活用の相談って誰にするのが最適なのでしょう?
そもそも土地活用の専門家などって、存在するのでしょうか。
今回は、土地活用の相談相手としてよくあげられる専門家たちについて
私がアパート建設業者の立場で、実際に仕事でお会いしてきた経験から
その特徴と、注意点をお話しさせて頂きます。
前編ではまず、住宅メーカーと不動産会社について
後編では銀行と税理士さんについてふれさせて頂きます。
なお、私の独断と偏見がかなり含まれております。
ここに登場する各業界の皆さま方におかれましては、お気を悪くなされないよう
どうかご容赦のほどお願い申し上げます。
建設会社、住宅メーカーに相談する

まだ土地活用の方針が完全に決まってなくて、
土地活用についてネットで検索すれば、大手住宅メーカーのサイトがいっぱい出てまいります。
そうした大手住宅メーカーのホームページには、いろいろなタイプのアパートの実例の写真や間取り、賃貸経営のサポート体制についてなど、知りたい情報がたくさん盛り込まれています。
そして、メーカーに資料の請求や土地活用プランの立案の依頼などを行う方もおられるかと思います。
資料請求の際には、必ず請求された方ご自身の連絡先を記載しますので
住宅メーカーや建設会社の営業社員さんが連絡をとってこられます。
このときの営業社員がオーナーさんの相談相手となってきます。
相談相手として、住宅メーカーの良い点は、
アパート建設についての知識や情報量が圧倒的に多く、優れていることです。
会社として積み重ねてきた実績やノウハウももちろんですし、
相談相手として優秀な営業社員もたくさん抱えておられます。
その営業の経験年数にもよりますが、建設以外の周辺知識も豊富な営業社員も多いです。
税金の知識や賃貸経営の注意点なども聞けますし、
はては相続で揉めないように気をつけておくことなど
いろいろなことについて相談に乗ってもらえることが多く、とても頼りになります。
注意点としては、当たり前の話ではありますが、彼ら住宅会社の営業社員は
建築工事の成約をすることを仕事としている、ということです。
決して相談相手としてアドバイスすることが仕事ではありません。つまり、
土地活用=アパート建設 という結論を導き出すために全力をあげている、
ということを忘れないでいてください。
アパート建設以外の選択肢はほとんど見ていない、といってもいいかもしれません。

たとえば土地を売却するか活用するかで迷っている場合に、どちらをえらぶべきか意見を求めると
必ずといっていいほど、売却することのデメリットの説明をしてこられます。
売却されてしまうとアパート建設の契約が取れないからです。
駐車場として活用できませんか?という質問をしても、恐らく反対されると思います。
ほとんどの優秀な営業社員は建築する選択肢だけを全力で勧めてきます。
住宅メーカーや建設会社を相談相手にした場合
担当営業や会社そのものが持っている情報を引き出すことができ、
アパートを建築するとなったときには、大変頼りになるパートナーであることは間違いありません。
ただし、いくら頼れるからといっても、
コンサルタントとして公平なスタンスで提案してくれているわけはないことを忘れないでいてください。
なにもかも鵜呑みにして聞き入れないように気をつけていただいた方がいいと思います。
建設以外の選択肢を選んだときのデメリットを全力で教えてもらえる、という点だけは確かなので
そのくらい割り切っていただけるとよいかと思います。
不動産会社に相談する

土地活用の相談をするにあたって、
売却でも活用でも賃貸でも、なんでも全般的な相談を受け止めてくれそうな相手として、
不動産会社を選ばれる土地オーナー様も多いかと存じます。
確かに、建設会社や住宅メーカーと違って
不動産会社は幅広く土地活用の選択肢を提示できるポジションにいます。
土地を売却をするときには査定と仲介をお願いできます。
そのまま貸すときには借主の募集や賃貸の管理を任せることができます。
不動産会社によってはアパート建設の業者を紹介してくれるところもあり、
相談の幅はぐっと広がります。
なぜ不動産会社がそんな幅広い提案を自由にできるのかというと、
彼らは土地活用を自分たち自身で解決してあげるスタンスではなくて
解決できる相手を紹介することをビジネスにしている業者だからです。
たとえば「土地を売ってしまう」という解決策をオーナーさんが選んだ場合には
土地の購入者を探してきて、売買の仲介をする仕事をしてくれます。
もし「そのまま貸す」という選択肢を選んだ場合には、土地の借主を探してきますし
建物を建ててアパートをしたい、というなら建設会社を紹介してくれたりもします。
不動産会社は、土地を活用したいと思っておられるオーナーさんの希望に応じて
土地の購入希望者や借りたい人、あるいはアパートを建てる建設会社など
オーナーさんが望む解決策の相手方を紹介することで、仲介や紹介の手数料を得ています。
それが不動産会社のビジネスなのです。
なので、最初から答えが決まっている住宅メーカーと違い、
いくつもの解決策を自由に提示することができます。
オーナー様にとっては、自分にいちばん合った解決策の相談に乗ってもらえるわけで、
理想的ともいえるでしょう。
この不動産会社、そのメリットは欠点の裏返しであることも念のため覚えておいてください。
幅広い提案ができる反面、その幅広さゆえに
適切な紹介をするには相当な能力が必要だ、という点です。

彼らは基本的に、相手を紹介することをビジネスにしています。
言葉は悪いですが、人のふんどしで相撲を取って手数料を稼ぐ業界で
自分自身が買ったり借りたりすることはあまりありません。
彼ら自身が土地オーナーさんの顧客になるわけではない取引なので、
相手を紹介する能力だけが問われるビジネスです。
その能力とは、どれだけ適切なネットワークをもっているかという点です。
その紹介能力が劣っている業者さんは、問題解決の提案をする能力も低いのですが
これは業者さんによってけっこう差があることが多いのです。
本来はどんな土地の活用方法を望まれたとしても、なんでも提案や紹介ができるはずなのですが、
実はけっこう会社ごとに得意分野と不得意分野があったりします。
売買が苦手な業者さんもいれば賃貸が苦手な業者さんもいます。
同じ賃貸でも、住宅やアパートは得意だけど店舗や駐車場は苦手な業者さんもいます。
なんでもできると思って相談しても、じつは選択肢が狭かったりするのです。
業界の内部の人間なら、なんとなくそのあたりの色分けはわかっていたりするのですが
相談をかけた土地オーナー様にとっては、そうした区別がわからないことが多いです。
なのでたまたま相談した不動産業者さんに、その会社が苦手な分野をスルーされたり
得意な方面に知らないうちに誘導されないように注意してください。
不動産会社さんに相談する際には、ネットワークや人脈が広い業者さんを選ぶことが重要です。
押しだけが強くて紹介能力が低い業者さんには関わらないように注意してください。
できれば信頼できる知人や、同じような相談をして解決してもらった人から
よくできる業者さんを紹介していただけると安心かと思います。
後編に続きます。土地活用は、誰に相談するのが正解か?(後編)

