最近のご相談のなかで多くなってきたのは、
もともとご自宅やご実家だったお敷地を、アパートとして活用できないか?といった内容です。
最近は、ご実家のご両親と同居されるご家庭が少なくなってきていて、お子様がご実家とは別にご自宅をお持ちになっておられるところが増えています。
ご両親からご実家を相続されたまま空き家になっている、なにか上手な活用方法はないでしょうか?というご相談をよく受けるようになってきました。
空き家でも固定資産税は毎年数万円から数十万円かかります。10年放置すると結構な金額になってしまいます。
庭の植木も手入れをしていないと、どんどん茂ってきてジャングルみたいになります。そのうちお隣さんから苦情を言われますので、植木屋さんにお願いして切ってもらわなければならず、また費用がかかります。
建物がまだまだしっかりしているときは、そのままリフォームして貸されることを私はお勧めしています。もしくは売却して手放してしまうのもひとつの方法だと思っています。
とにかく放置しておくのがいちばん効率が悪いです。
でも、古くなって傷んでしまってもう貸すことも難しく、売るとしても更地にしないと売れない
そんな状態で、多くのお客様が空き家をそのまま何年も放置しておられます。
今回はご実家を建て替えて活用するとしたら、という内容をお話しさせていただきます。
40坪の広さに建てられる建物の大きさとは?
もともとご自宅などが建っていた土地、という前提でのお話しだとすると、
その場所は住宅を建ててもかまわない土地、ということでまずは説明をすすめさせていただきます。
ただし、住宅の建築は大丈夫なのですがアパートの建築はダメ、というルールが決められていたりする土地もあります。
念のため、住宅、アパートが建てられない土地とは と アパートを建てるとき、まずいちばん最初に調べること 開発指導要綱について の2つでチェックしてみて下さい。
上記の2つをクリアしたという前提で、まずは40坪の土地のうち建物を建ててもいい範囲を調べます。
そのためには、その土地にかかっている規制(建ぺい率、容積率)などを調べておく必要があります。
この規制は土地の場所によって全て変わってきますので、いまここで一律にお伝えができません。
規制の種類や、その調べ方については 土地の広さ20坪~30坪でアパートを計画するには で紹介をしています。
40坪の土地(約130㎡)の形を、
仮で、間口(横幅)が10M 奥行き(縦幅)が13Mだとすると、こんな形になります。

次に、その土地に建てられる建物の上限がどのくらいか計算してみます。
その土地の建ぺい率(1階部分の建てられる広さの割合の制限)が60%の土地だったとしたら、
その土地のうち建物が建てられる最大限の広さは
130㎡ × 60% = 78㎡
となります。
78㎡の建物の間口(横幅)の大きさは、お隣との距離を50cmづつ離すとしたら9Mなので
奥行きは、78㎡ ÷ 9M = 8.6M
となります。 これが建てられる広さの上限です。
こんな感じです。

共同住宅を建てる場合
さて、この大きさを使って
どのような賃貸住宅を設計していけばいいのでしょうか。
事例数を絞るために、今回は2階建ての建物に限定して考えてみます。
私なら、共同住宅 4戸 か 長屋建て住宅 2戸
のどちらかのパターンで計画すると思います。
※共同住宅と長屋建住宅の違いについては、こちらでご確認下さい。
どちらも一長一短がありますが、その地域のアパートの需要によっても、どちらが最適かは変わってきます。
まず、共同住宅のプランの場合。
共同住宅の場合は、先ほどの広さのなかに共同の廊下と階段を作らないといけません。
なので、そのぶんお部屋に使える広さは少なくなります。
こんな感じになります。

ワンフロアに、一部屋だいたい25~27㎡くらいのお部屋を2戸
2階建てだと4戸取れる計算です。
単身者向きのプランです。間取りの例はこんな感じです。

単身者なので、駐車場は軽自動車3台くらい停められたらいいかな、と思います。
ただ要注意なのは、単身者向けの間取りがどんな立地でもニーズがあるとは限らない点です。
駅からの距離が遠かったり、単身者の通う学校や勤め先などに遠かったりすると
募集してもなかなか入居が決まらなかったりするので、
こちらの都合(戸数をたくさん作りたい)だけでプランニングすると失敗することもありますので、
十分ご注意ください。
長屋建て住宅(テラスハウス)で計画する案
もう一つの案は、長屋建て住宅(テラスハウス)のプランニングをするパターンです。
この案のメリットは、各お部屋の内部に階段を作って上下でお部屋を使っていただくので
共同住宅と違って余計な廊下や階段を作る必要がなく、建物の広さを有効に使えることです。
ただし、間取りはファミリー向けになる見込みなので駐車場は普通車が停められる広さが必須です。
こんな感じです。

左右それぞれが、1階と2階を一戸建て住宅のように使えるプランニングで、各お部屋に1台づつ駐車場を設置しています。
駐車場を大きくした関係で、1階の広さは上限いっぱいに使っているわけではありませんが
それでも、それぞれ1階で30㎡(1.2階合計だと60㎡)の広さになりますので
共同住宅案と比べると、住宅の広さは上回っています。

一部屋当たり60㎡という広さは、広めの2LDK といった感じの大きさなのですが
今回はあえて部屋数を重視して、3LDKのプラン例とさせていただきました。
理由は、このテラスハウスタイプを求める入居者さんのニーズは、
小さいお子様がいらっしゃるご家庭に多かったりするからです。(子供さんが走り回ったりしたときに、上下階の騒音を気にしなくていいという利点があります)
ちょっと各部屋が狭いですが、こんな感じです。

私が建設営業としてお手伝いさせていただいた実例のなかに、この案とよく似た提案をさせていただいたことがあります。
少し駅から離れた住宅街のなかの立地で、もともとご自宅だったお家のお建替えでした。
私の記憶では、完成前に2戸とも入居が決まっていたと思います。
まとめ
- 40坪の土地で最大限、どのくらいの広さが建てられるかをまず知ること
- 共同住宅の案なら、単身者向け4戸くらいの規模
- 長屋建て(テラスハウス)2戸の案でファミリー向けでもいいかも
今回は、一戸建て住宅くらいの規模の土地を活用するときに
どのくらいの大きさの建物が建てられるか、というテーマでお話しさせていただきました。
どちらも一長一短なので、結局どちらを選べばいいの?と疑問が方もいらっしゃるかと思います。
私がどちらか決めるときには、たいていその地域の賃料相場で判断しています。
たとえば、月額の賃料の相場が
単身者向け27㎡の賃料が6.5万円 テラスハウス60㎡なら10万円
だとすると、
月額の合計家賃は 単身者4戸が26万円 テラスハウス2戸が20万円
となり、単身者向けのほうが手取りが多くなります。
これはつまり、この地域で単身者向けは家賃が高くても決まるけど、ファミリー向けはそれほど賃料が取れない
ということを意味していますので、単身者向けの案をお勧めします。
逆に、 単身者の家賃5.5万円 テラスハウスの家賃12万円 だとすると
月額賃料合計は、 単身者4戸で22万円 テラスハウス2戸で24万円
となり、
この地域では単身者向けのお部屋が余っていて、ファミリー向けのお部屋が足りていないのでは?と考えて、テラスハウスをお勧めします。
あくまで私が検討するときの目安ですので、参考程度にお考え下さい。
もし少しでもお役に立てたなら幸いです。

