アパート経営の収支と手取りについて

アパート建築

土地活用を思い立ったのはいいけれど、自分の土地にアパートを建てたとしたら、はたしてどれだけの収入が得られるものなのでしょうか。
そして、いろいろかかってくるであろう経費などを差し引くと、手元にはどのくらいの手取りが見込めるのでしょうか。
これはお客様からよく聞かれる質問です。

お答えするには正確な建築費用を計算して、綿密な賃料相場の調査が必要となりますので、どうしても建築会社との打ち合わせをしなければなりません。
ですが、まだ検討の段階でそこまで踏み込んだ相談をためらっておられる方も多いことかと思います。

あくまで一定の条件のもとでのケーススタディとして、
アパート経営を行うと、どれだけの収入が得られて、また逆にどれだけの支出が出ていくかを、日ごろ私たち営業がお客様にお示ししているやり方で説明させて頂きます。

今回は、「土地の広さから、建てられるアパートの規模を知るには」の例で使用したプランをもとに計算してみます。(ご自身の土地でどのくらいの広さのアパートが建てられるか気になる方は、先にこちらに目を通して頂くとわかりやすいです)
250㎡(約80坪)の土地に1DK(33㎡)のお部屋が6世帯できるという前提です。

アパート経営の収入

まずはアパート経営をすることで入ってくる収入から計算をします。
主な収入は、家賃収入と駐車場収入(敷地内に駐車場があれば)それに共益費です。

1)家賃収入
これは地域によって差が出ますが、ここでは月額家賃を7万円として計算します。
6世帯ありますので、月額42万円 年額504万円が年間収入という計算です。

2)礼金や敷金
敷金はそもそも退去時に返却するお金なので、計算から外します。
礼金のほうは返さなくてもいいのですが、入れ替え時に必要となる費用(あとで説明します)があり、置いておかないといけないので、これも外しておきます。

3)駐車場
月額8千円の駐車場が3台あるとして、年額28万円になります。

4)共益費
共益費とは、建物の清掃だとか、外灯や廊下の照明などの電気代や共用している部分の消耗品費などの費用として、入居者から頂いている費用です。
1軒あたり4千円いただくとして、年間28万円です。
なおサブリース形式で管理を任せる場合には、この共益費はサブリース会社の収入にすることが多いようです。

全部を合計すると、以下の表のようになります。

年間560万円の年収がある、という結果です。

アパート経営の支出

次は支出のほうをみていきます。これはけっこういろいろあります。
まず表をご覧ください。

順にひとつひとつ説明をしていきます。

1)ローンの返済
ここでは6世帯のアパートの総事業費用を、仮に9,000万円ということにしてほぼ全額をローンであてる前提にします。
総事業費がいくらになるのかによってローンの借り入れ額が変わってきますので、収支の計算では大事な部分なのですが、
今回は個別の建築費のところには深く立ち入りません。1世帯あたり1500万円と仮定した概算と考えて下さい。

9000万円を、金利1.2%のローンで借り入れして30年返済で返済していくと、
毎月約30万円 年額で約360万円の返済になります。

この返済額にはローンの利息だけでなく、もともとのローンの元金も含まれています。なので返済をしていくとローンの残額も少しづつ減っていくことになります。1.2%の利率だと、最初の年でだいたい年間250万円くらいの元金を返済している計算になります。

2)固定資産税(建物と土地)
建物を新築したら翌年から固定資産税の請求がきます。
この額は建物の種類や市町村によって少しづつ違いますが、この規模の建物と土地の平均的な金額を入れました。(建物の評価 100,000円/㎡ 土地の評価150,000円/㎡として)

※土地の固定資産税は住宅用地として評価が安くなる計算になっていますので、年間12万くらいの負担になる見込みです。

3)賃貸管理手数料
アパートの管理を自分でやるか、他のだれかに任せるかでここの費用は変わってきます。
詳しくはアパート経営をするための入居者募集と管理業務をご参照下さい。この試算では一般的な管理委託の手数料5%(+消費税)がかかるものとして計算しました。
だいたい年間30万くらいの費用がかかる計算になります。

本当はこれ以外に、入居者を紹介してくれた賃貸ショップに支払う手数料(家賃の1ヶ月相当額)もかかりますが、さきほど収入から省いて計算した礼金をこの費用にあてるものと考えて、費用からは除外いたしました。
礼金収入が仮に家賃1ヶ月分だとすると、それがそのまま仲介手数料にあてられるくらいの見当をしておいて頂けるといいかと思います。

4)ネット設備費
最近はどこの新築アパートも、あらかじめインターネット通信の契約がされていて、入居者が無料で使えるように準備されてきています。そしてその利用料は家主さんが負担していることが多いです。
アパートの建物全体で1本のインターネット回線を引き込んで、それを6世帯に分配しますのでネット料金は割安になっています。(1世帯1,500円~2,000円くらい)
入居者が個別で契約する料金の半額くらいで準備できますので、実際にかかる費用よりもお得に感じていただけるので、この費用も計算にいれておきました。

5)修繕費
アパート経営のなかで、お部屋の入れ替わりのときに壁紙の張り替えなどの修繕費用(原状回復費用)がかかってきたりします。
また、だんだんと設備が古くなってくると交換などが必要になってきたりして、またそちらの費用もかかってきます。(長期修繕費用)

毎年必ずかかる費用ではありませんが、準備しておかないと急にまとめて必要になったりすることがありますので、毎月の収入から準備金として少しづつ積み立てておくというやり方をお勧めしています。
原状回復費用のほうについては、管理会社によっては掛け捨ての保険のような仕組みがあり
毎月一定額を支払うことで、入れ替えのたびのまとまった工事費を免除できるシステムを持っているところもあります。このそれぞれを差し引いて計算をいたします。

こうした費用を全部まとめると、年間478万円の支出という計算になりました。

手取り額は多い?少ない?

今回の例では、手取り額は

収入560万円ー支出478万円=82万円(年額) 6.8万円(月額)

という結果でした。いかがでしたか?

このアパート収入を見てどうお感じになられたでしょうか。
けっこう大きなお金をかけた割には、あまり手もとに残るお金は多くない?と思われた方も多いのではと思います。
でも本当にそうでしょうか。

まず投資するといっても、アパート建築はその大半の資金をローンで借りられることが多いので、
そもそも全額を自己資金で建てているわけではありません。
また、仮に全額を現金で建築したらローンの返済は必要ありませんから、手取りはもっと多くなります。

そして、もう一度スタートラインに立って考えてみましょう。
仮にこの土地を何も活用していなかったとしたら、本当に収入はゼロなのでしょうか。

土地は持っているだけで固定資産税を毎年払わなければなりません。
ただの宅地だと非住宅用地という評価になりますので、住宅用地よりも固定資産税は高くなります。
さっきと同じ条件で計算すると、だいたい年間45万円くらいの固定資産税を払うことになるはずです。
土地を持っているだけだと収入はゼロどころか、毎月4万円を支払って持っている計算になります。

アパートでなくても、駐車場でもコインランドリーでもいいから誰かの役に立ってくれていて、
それで喜ぶ人がいる
なら、たとえ少なくてもきっと収入が得られるでしょうし、
それは大事なことだと思っています。
そのなかでもアパート経営が選ばれている理由は、住宅用地として使うと固定資産税が安くなり、土地を持ち続けていくコストを抑えることができるからです。

今回はアパート建築の収支についてお伝えしました。

もっと家賃の高いエリアもあれば、もっと安い建築費で計画される方もおられるので、その点は千差万別だと思います。
あくまでも私のいる地方都市で、ふだん販売している建築費に近い額で試算してみました。
ご参考にしていただけると幸いです。

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